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OECDの概要:原子力機関 - NEA: Nuclear Energy Agency

1.概要

(1)沿革

原子力の発展を目的として西欧諸国がその知的、財政的資源を共同利用するために、1958年に欧州原子力機関として設立され、1972年に日本が加盟した際に原子力機関と改められました。


(2)目的

参加国間の協力を促進することにより、安全かつ環境的にも受け入れられる経済的なエネルギー資源としての原子力エネルギーの発展に貢献することを目的として、原子力政策、技術に関する情報・意見交換、行政上・規制上の問題の検討、各国法の調査及び経済的側面の研究等を実施しています。


(3)加盟国

31ヶ国(ニュージーランド、チリ、イスラエル、エストニア、ラトビアを除くOECD加盟国及びロシア)


2.組織・構成

(1)組織・構成

機関の活動は、NEA運営委員会にて政策的な決定を行い、より詳細な内容は7つの常設技術委員会及びその下部に設置されたワーキンググループ等により実施しています。

NEA運営委員会には、各国より局長級・課長級が出席しています。日本からは、文部科学省、経済産業省及び原子力規制庁から出席しています。


(2)議長、副議長

NEA運営委員会議長:マルタ ジアコバ(元スロバキア原子力規制委員長、元IAEA理事会議長)

副議長:日本(山形浩史原子力規制庁緊急事態対策監)、米国、フランス、ベルギー、韓国


(3)下部組織(常設技術委員会等)

  • 放射性廃棄物管理委員会(RWMC)
  • 放射線防護及び公衆衛生委員会(CRPPH)
  • 原子力施設安全委員会(CSNI)
  • 原子力規制活動委員会(CNRA)
  • 原子力法委員会(NLC)
  • 原子力開発・核燃料サイクルに関する技術的経済的検討委員会(NDC)
  • 原子力科学委員会(NSC)
  • 核データ及びコードの開発・応用及び妥当性検証のための管理委員会(MBDAV)
  • ※NEAデータバンクの運用を行うMBDAV以外の7委員会が常設技術委員会とされています。

3.最近の活動内容

(1)NEA戦略計画の策定

1999年以降、NEAでは、加盟国からの時代に応じた要請を自らの活動に反映させていくために、使命・活動・運営等の方向性等に関する戦略計画を作成しています。現在は、4期目(2017-22年)のNEA戦略計画に基づいて活動を行っています。


(2)東京電力福島原子力発電所事故に関する主なレポ-ト

ア 福島特別レポート(Five Years after the Fukushima Daiichi Accident)


福島原発事故を受け、NEAとしては専門家の現地派遣にとどまらず、「福島原発事故に関するシニアレベル・タスクグループ」を設置し、各国のシニアレベルの原子力安全規規制当局者関係間で、福島原発事故後の各国の対応状況の把握、今後原子力安全の観点から国際的に実施していく事項について検討・整理等を実施し、その結果を2013年9月に特別レポートとしてまとめました。


さらに、CNRAを中心に、CSNI、RWPPH、NLCを含めた4つの常設技術委員会において検討が進められ、2016年2月には、2013年のレポートのアップデートとして、福島原発事故以降、約5年の間にNEA及びNEA加盟国が原子力の安全性を改善するために行った取組、これらから得られた教訓及び今後の課題を網羅的に示すものとして、“Five Years after the Fukushima Daiichi Accident: Nuclear Safety Improvements and Lessons Learnt”を公表しました。


イ 原子力損害賠償に関する報告書(Japan’s Compensation System for Nuclear Damage)


NLCにおいて、福島原発事故後の我が国の原子力損害賠償に関する取組を紹介する報告書の公表作業を進めています。これは、2012年の報告書(Japan’s Compensation System for Nuclear Damage: As related to the TEPCO Fukushima Daiichi Nuclear Accident)を改訂するもので、原子力損害賠償に関する法律やガイドライン、紛争解決のための仕組み等、我が国の最新の原子力損害賠償の状況をまとめています。


ウ 放射性廃棄物管理に関する報告書(Management of Radioactive Waste after a Nuclear Power Plant Accident)


2014年から、RWMCの下に設置された専門家会合(EGFWMD)において、福島第一原子力事故後の放射性廃棄物管理に関する知見の収集や我が国の取組に対する提言のとりまとめを行い、2016年7月に東京で開催されたワークショップを経て、同年12月に報告書を公表しました。また、これを受けて2017年3月のRWMCにおいて、我が国から福島第一原発の放射性廃棄物の特性評価に着目したプロジェクトの提案がなされ、今後新たな専門家会合が設置される予定です。


(3)東京電力福島原子力発電所事故に関連する主なプロジェクト

ア BSAF: Benchmark Study of the Accident at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station


2012年以降、福島第一原子力発電所の廃炉に資するため、我が国が中心となって、炉心溶融した原子炉のシビアアクシデントの進展や原子炉の現状に関する知見の提供を行ってきています。地震発生から約6日間を対象とした第1フェーズに続き、現在は、事故後約3週間を対象とした第2フェーズの分析等を行っています。


イ SAREF: Safety Research Opportunities Post-Fukushima


2013年6月から、CSNIにおいて福島第一原子力発電所事故に関連する安全研究の知識ギャップと同発電所の廃炉ニーズの双方に資する観点から、各国が共通に興味を有す安全研究分野の優先順位付けを行うとともに、優先度の高い分野で実施可能な共同研究プロジェクトを提案する取組を行ってきました。2016年6月のCSNI会合での了承を踏まえ、SAREF専門家グループ(日本の原子力規制庁が議長)による報告書が公表されています。


本報告書を踏まえ、今後、短期プロジェクトとして特定された「燃料デブリの分析に関する予備的研究(PreADES)」及び「原子炉建屋内及び格納容器内の調査並びに水のサンプリング(ARC-F)」の2件を我が国が主導して進めていく予定です。


ウ TCOFF: Thermodynamic Characterisation of Fuel Debris and Fission Products Based on Scenario Analysis of Severe Accident Progression at Fukushima Daiichi Nucelar Power Station


2017年7月から、日本原子力研究開発機構廃炉国際共同研究センター(CLADS)からの提案により、NSCの下で、福島第一原発のシビアアクシデント進展シナリオ解析に基づく燃料デブリと核分裂生成物の熱力学特性の解明に係る共同プロジェクトが開始されています。


(4)ステークホルダーインボルブメント(利害関係者の関与)への対応

NEAでは1986年のチェルノブイリ事故での教訓を踏まえ、ステークホルダーインボルブメントの活動として、(1)オフサイトの緊急時対応訓練、(2)Recoveryの意思決定、(3)事故後のオフサイトやRemediationにおける教訓、について約20年にわたり活動を行ってきました。福島事故以降は、これまでの経験を活かして、「放射線防護の意思決定における科学と価値に関するワークショップ」を日本で数回開催するなど放射線の身体への影響について科学的見地から説明するアプローチを行っています。


また、2015年3月には、安全文化、原子力安全に関する人的・組織的要員、トレーニング、ステークホルダーの関与と一般の方々とのコミュニケーション等により大きな焦点を当てることを目的として、NEA内に原子力安全(人的側面)課が新設され、関連する常設技術委員会と連携しつつ、分野横断的な取組が行われています。2016年4月には、我が国の原子力規制委員会と共催で、規制機関によるコミュニケーションのあり方をテーマとした国際ワークショップが開催されました。


さらに、2017年1月には、原子力エネルギーの政策決定におけるステークホルダーインボルブメントに関する国際ワークショップが開催され、各国政府、民間、研究開発機関等から計26カ国130名以上が参加し、経験や情報の共有が行われました。


(5)原子力教育・スキル・技術に関する枠組みの検討

NEA加盟国において、広範な分野における原子力科学技術の専門家を永続的に必要としているものの、現在の若い世代にとって、このための国際的な人材育成プログラムに参加する機会が失われているという認識のもと、NEAでは、優秀な若い世代の原子力科学技術への興味関心を高めるための枠組みを検討しています。2017年5月には、このような共通認識を確認し、枠組みの検討を前に進めるためのワークショップが開催されています。


(6)我が国の高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する取組についてのピア・レビュー

NEAは、我が国における高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する取組について、特に科学的有望地の選定の位置付けや検討における考慮事項・手順に焦点を当て、諸外国の処分地選定に関する経験や知見に照らして、それらがどのように評価できるかについて、2016年5月にピア・レビューを行い、8月に最終報告書を公表しました。(レポートは、NEAウェブサイト(http://www.oecd-nea.org/rwm/pubs/2016/7331-japan-peer-review-gdrw.pdf)別ウィンドウで開くから入手できます。)


(7)NEAデータバンク事業の実施

NEAデータバンクは、1963年に設置されたNEA計算機ライブラリー及び中性子データ編集センターが1978年に合併してできたもので、2016年現在25ヶ国が参加しています。データバンクでは、原子力の研究開発に必要な核データ及び計算コードの開発、収集、妥当性検証、提供等を実施しています。


また、2016年4月の運営委員会において、データバンクの改革に関する提案が了承され、運営委員会の直下に「核データ及びコードの開発・応用及び妥当性検証のための管理委員会」が設置されました。