OECDの概要:競争委員会 - Competition Committee

令和4年9月14日

1.概要

OECD競争委員会は、加盟国における競争法及び競争政策の進展について検討し、また、その整備及び施行に関する加盟国の協力を促進することを目的としています。1961年に制限的商慣行専門委員会(Committee of Experts on Restrictive Business Practices)として設置され、その後、1987年に競争法・政策委員会(Committee on Competition Law and Policy)に改組され、2001年に現在の名称に変更されています。

 

2.組織・構成

(1)構成

競争委員会には各国競争当局のトップ級が参加しています。

日本からは、公正取引委員会(青木玲子委員ら)が参加しています。

 

(2)議長、副議長(2022年8月現在)

議長:フレデリック・ジェニー(Frédéric Jenny)エセック(ESSEC)ビジネススクール教授(フランス)

副議長:カナダ、EU、ドイツ、ギリシャ、日本(青木玲子公正取引委員会委員)、ポルトガル、スイス、イタリア、オーストリア、スウェーデン、スペイン、アメリカ

 

(3)非加盟国等の参加(2022年8月現在)

(1)連携国(associate):ブラジル、ルーマニア

(2)参与国(participant):アルゼンチン、ブルガリア、クロアチア、エジプト、インド、インドネシア、カザフスタン、マルタ、ペルー、南アフリカ、台湾、ウクライナ

(3)招待国(invitee):中国等

(4)オブザーバー(他の国際機関):EFTA、UNCTAD、WTO、世界銀行等

 

(4)下部組織(作業部会等)

・競争と規制に関する第二作業部会(Working Party No. 2 on Competition and Regulation): 競争の問題の検討、これらに取り組むために採り得る方策の確認及びベストプラクティスの開発によって、競争促進的な規制改革の実効性を高めることを目的としています。

・協力と執行に関する第三作業部会(Working Party No. 3 on Co-operation and Enforcement): ベストプラクティスの開発及び加盟国競争当局間の協力の促進を通じて、競争法執行の実効性を高めることを目的としています。

・競争に関するグローバルフォーラム(Global Forum on Competition)別ウィンドウで開く: 年に一度、非加盟国・地域や関連団体も含む100以上の競争当局・機関が参加するフォーラムが開催され、重要かつ新たな競争上の問題について幅広く議論がなされています。

 

3.最近の活動内容

経済活動のグローバル化の進展に伴い、国際カルテル事件や国際合併事案など、複数国の法律に関係する事例が発生しており、規制の不一致の回避、効率的な事業活動及び当局の審査活動が行われる環境の整備に向けて、執行活動の国際協力の強化、競争法執行の手続面及び内容の収れんの促進の必要性が益々高まっています。
競争委員会は、各加盟国の競争当局がこのような議論を行う場として非常に重要な役割を果たしています。
様々なトピックスを取り上げてラウンドテーブルを開催し、各競争当局の考え方や経験を共有しています。

 

(1)競争法執行の透明性・公正性

2021年に、透明で公正な競争法執行に関する共通の基準を確立するために競争当局が遵守すべき原則(競争法執行の透明性及び予測可能性の確保、競争法執行の独立性、公平性及び専門性の確保など8つの原則)を示した「競争法執行における透明性及び手続の公正性に関する理事会勧告」(Recommendation of the Council on Transparency and Procedural Fairness in Competition Law Enforcement)別ウィンドウで開くが採択されました。

 

(2)競争中立性

2021年に、国有企業の運営や公共政策の目的達成のための手段(各種規制や補助金等)が競争を歪めるものであってはならないことを定めた「競争中立性に関する理事会勧告」(Recommendation of the Council on Competitive Neutrality)別ウィンドウで開くが採択されました。

 

(3)ハードコアカルテル

2019年に、「ハードコアカルテルに対する効果的な措置に関する理事会勧告」(Recommendation of the Council concerning Effective Action against Hard Core Cartels)別ウィンドウで開くが、同勧告採択後の各国競争当局による執行活動を踏まえ、全部改正(旧勧告の廃止及び新勧告の採択)されました。
同じく2019年に、OECD国際カルテルデータベース(OECD International Cartels Database)別ウィンドウで開くが公開されました。このデータベースには、約50の国・地域から2012年以降の国際的なハードコアカルテル(カルテル参加企業の本社が、2以上の異なる国・地域に置かれている事案)に関連する約200件の参考文献が収録され、地理的範囲や期間、産業、制裁、カルテル参加者数等の情報が掲載されています。

 

(4)競争評価

2007年に、規制影響分析(Regulatory Impact Analysis)の中で規制案が競争に与える影響を評価するための規制立案者向けガイダンス等を含む競争評価ツールキット(Competition Assessment Toolkit 別ウィンドウで開くver1.0)を策定・公表しました(競争評価ツールキットは2010年にver2.0、2015年にver3.0、2019年にver4 .0がそれぞれ公表されています。)。 2019年には、「競争評価に関する理事会勧告」(Recommendation of the Council on Competition Assessment)別ウィンドウで開くが、「規制分野における競争政策及び適用除外に関する理事会勧告」(1979年)と統合の上、改正(旧勧告の廃止及び新勧告の採択)されました。

 

(5)構造的分離

2016年に、「規制産業における構造的分離に関する理事会勧告」(Recommendation of the Council concerning Structural Separation in Regulated Industries)別ウィンドウで開くの改正が承認されました。 これによって、従前の勧告においては、構造的分離を考えるべき対象は伝統的な規制産業分野であるネットワーク産業でしたが、これに限定せずにその他の産業も構造的分離を考えるべき対象となることが明確化されました。

 

(6)国際協力

2014年に、「国際的通商に影響を及ぼす反競争的慣行についての加盟国間の協力に関する理事会勧告」(1995年)が廃止され、新たに採択された「競争法の審査及び手続における国際協力に関する理事会勧告」(Recommendation of the Council concerning International Co-operation on Competition Investigations and Proceedings)別ウィンドウで開くに置き換えられました。
この新しい理事会勧告は、従前の勧告が経済のグローバル化の進展及び競争法・競争政策の急速な浸透に適合しなくなってきていた事実を踏まえ、現状の国際執行協力の実務の内容に合わせたものとなっています。