OECDの概要:消費者政策委員会 - Committee on Consumer Policy

2021/8/31

1.概要

OECD消費者政策委員会は、消費者政策分野における加盟国の協力の推進・強化に貢献することを目的として1969年に設置されています。

これまで、国際的な消費者取引に係る諸問題等について幅広く検討してきていますが、最近では、特にデジタル経済の進展に伴う消費者問題や製品安全分野に重点的に取り組んでいます。

 

2.組織・構成

(1)構成

消費者政策委員会には各国の消費者政策関係部局が参加し、日本からは消費者庁が参加しています。

 

(2)議長、副議長(2021年8月現在)

議長:ヒュー・スティーヴンソン(Hugh Stevenson)連邦取引委員会国際室国際消費者保護担当次長(米国)

副議長:カナダ、日本(岩井康子消費者庁参事官(調査研究・国際担当)付参事官補佐(国際担当))、ノルウェー、ポルトガル、トルコ、英国

 

(3)非加盟国の参加(2021年8月現在)

(1)参与国(participant):インド、エジプト、ペルー、アルゼンチン、ブラジル

(2)招待国(invitee):

・消費者政策委員会及び製品安全作業部会:インドネシア、マレーシア、中国、ロシア、セーシェル、シンガポール、南アフリカ、ベトナム、タイ

・消費者政策委員会のみ:ブルガリア、香港、マカオ、モロッコ、ザンビア

・製品安全作業部会のみ:ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルネイ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、フィリピン、アラブ首長国連邦

 

(4)製品安全作業部会(Working Party on Consumer Product Safety)

消費者政策委員会の下部作業部会として、製品安全作業部会が設置されています。
同作業部会は、多くの国が直面する製品安全に関する課題にグローバルに対処するため、2010年に設置された組織です。同作業部会には各国の消費者保護・製品安全関係部局が参加し、日本からは消費者庁及び経済産業省が参加しています。
日本からは、小林訓子消費者庁参事官(調査研究・国際担当)付政策企画専門官が副議長を務めています。

 

3.最近の活動内容

(1)電子商取引における消費者保護

2014年2月に、モバイル・オンライン決済に関する消費者政策ガイダンス(Consumer Policy Guidance on Mobile and Online Payments)別ウィンドウで開くが、同年9月にデジタル・コンテンツ製品に関する消費者政策ガイダンス(Consumer Policy Guidance on Intangible Digital Content Products)別ウィンドウで開くがそれぞれ採択されました。
これらの公表されたガイダンス等を踏まえ、1999年に採択された電子商取引分野における消費者保護ガイドライン(理事会勧告)の改定作業が進められた結果、2016年に同理事会勧告を全部改正し、電子商取引における消費者保護に関する理事会勧告(OECD Recommendation of the Council on Consumer Protection in E-Commerce)別ウィンドウで開くが採択されました。
この勧告における主要な原則を詳しく説明し、原則をどのように適用するかについて実務的なガイダンスを提供することにより、勧告を補完することを目的として、2019年に、オンライン広告に関するグッドプラクティスガイド(Good practice guide on online advertising)別ウィンドウで開く、オンラインの消費者レーティングとレビューに関するグッドプラクティスガイド(Good practice guide on online consumer ratings and reviews)別ウィンドウで開く及び消費者データに関するグッドプラクティスガイド(Good practice guide on consumer data)別ウィンドウで開くがそれぞれ公表されました。

 

(2)行動洞察の活用

消費者政策委員会では、これまで10年以上にわたって、消費者政策の成果を向上させるため、行動洞察(Behavioural Insights)の活用に関する調査・分析が行われています。消費者政策に関する各国政府・公共機関の行動洞察の活用方法や行動洞察の効果・影響、行動洞察を活用する際の課題等について検証し、その結果が2017年1月に報告書「消費者政策における行動洞察の活用」(Use of Behavioural Insights in Consumer Policy))別ウィンドウで開くとして公表されました。同報告書では、行動洞察が消費者政策をより証拠に基づくものとする一助となり、消費者政策の介入の策定に役立ったと結論付けられています。

 

(3)ピア・プラットフォーム市場

消費者政策委員会では、ピア・プラットフォーム(peer platform)市場(商品の転売又はオークション並びによく「シェアリング・エコノミー」又は「コラボレーティブ・エコノミー」と呼ばれる、宿泊、輸送及びその他のサービス。以下「PPM」といいます。)が近年急速に拡大していることを受け、PPMに対する消費者の信頼の役割と促進要因についてより深く理解するために、2017年に日本を含むOECD加盟国10か国の消費者に対して、PPMの利用状況や信頼度等に関する調査が行われ、その結果が同年11月に報告書「ピアプラットフォームマーケットに対する信頼:消費者調査の結果」(Trust in peer platform markets: Consumer survey findings)別ウィンドウで開くとして公表されました。同調査により、(1)価値又は価格、利便性及び選択の幅が、消費者がPPMを利用する最も重要な理由となっている、(2)PPMを利用する消費者は一般的にPPMを信頼しており、その信頼は様々な要因に由来する、(3)若い消費者は年配の消費者よりもPPMを頻繁に利用し、PPMに高いレベルの信頼を置いている、(4)PPMの利用経験が多いほどPPMに対する信頼も大きくなるなどといった点が判明しています。

 

(4)製品安全作業部会の活動

製品安全作業部会において、2012年10月に製品安全情報に関する国際協力・情報共有のためのOECDグローバル・リコール・ポータル(GlobalRecalls portal)別ウィンドウで開くが立ち上げられ、日本も2015年1月から参加しています。
2015年には同サイトのトップページに日本語版別ウィンドウで開くを加えました。これまでに47か国から計31,000件以上のリコール情報が提供されています。
また、同作業部会では、2014年から各国と連携して消費者啓発活動にも取り組んでおり、2017年には家具の転倒防止別ウィンドウで開く、2018年にはオンライン上で販売される製品の安全別ウィンドウで開く、2019年には製品リコール別ウィンドウで開く、2020年にはオンラインで販売されるおもちゃの安全性別ウィンドウで開くについて、それぞれ各国当局によるグローバルな啓発活動(注意喚起)が行われました。

2020年に消費者製品安全に関する理事会勧告(Recommandation of the Council on Consumer Product Safety)別ウィンドウで開くが採択されました。この勧告は、1977年から1989年の間に採択された、消費者製品安全に関する6つの理事会勧告を統合し、新しい技術や国際貿易の増加、より複雑化したグローバルなサプライチェーンによって生じる、消費者製品安全に対する現在の及び新たな課題を踏まえてアップデートされたものです。この勧告では、特に(1)安全な製品に対する消費者の権利を規定し、安全でない製品が市場に出回っている場合や禁止又はリコールの対象となっている場合に、迅速に警告を行う、(2)事故データ収集システムの構築、各国間で比較可能な体系的なリスク管理・評価手法の開発、情報共有、啓発活動などを通じた、確実な証拠及びデータソースから情報を得る、(3)脆弱な消費者に特に注意を払う、といった強固な消費者製品安全規制及び政策枠組みの確立が求められています。