OECDの概要:国際交通フォーラム - ITF: International Transport Forum
令和4年9月21日
1.概要
2006年、欧州の交通大臣が集うECMT(欧州運輸大臣会合)から、グローバルな組織に改組する形で設置されました(現在64か国が加盟)。 交通政策に関するハイレベルかつ自由な意見交換を行うとともに、交通に関する調査研究活動を行っています。
(ITFウェブサイト:https://www.itf-oecd.org/)
2.組織・構成
(1)構成
年1回の交通大臣会合(ITFサミット:近年はライプチヒにて開催)に各国の交通担当大臣、企業経営者、有識者等が参加しています。また、年2回開催される交通運営理事会には各国の政策責任者等が参加しており、日本からは国土交通省総合政策局の課長級等が参加しています。
(2)議長、副議長
議長・副議長国は1年交代となっており、2023年の交通大臣会合に向けた議長国は英国、副議長国はリトアニアです。なお日本は2012年にアジアで初めて議長国を務めました。
(3)非OECD加盟国の参加
アラブ首長国連邦、アルゼンチン、インド、中国等がメンバ-としてITFに加盟しているほか、2022年にはカンボジアが新たにメンバーとなりました。その他、ブラジル、EC、UNECE、UNESCAPがオブザーバ-として参加しています。
(4)下部組織
- 交通運営理事会(TMB)
- 交通大臣会合の内容等について検討を行うタスクフォース(TF)
- 交通研究委員会(TRC)
- コーポレート・パートナーシップ・ボード(CPB)
3.最近の活動内容
(1)ITF交通大臣会合(ITFサミット)
モロッコが議長を務めた2022年の交通大臣会合では、「包摂的な社会のための交通」をテーマに議論が行われました。また、我が国を含む有志の交通担当大臣は、ロシアによる大規模な侵略を受けたウクライナへの連帯等で一致し、共同声明
を発出しました 。
(2)交通に関する調査研究
- ITF加盟国における鉄道・道路交通・内航海運の3つの交通モードの輸送実績等をとりまとめ、毎年、公表しています 。
- 交通分野における脱炭素化やMaaSの推進等の諸課題への対応に資するため、随時、政策提言を含むレポート等を公表しています 。
- 世界における2050年までの交通需要及び交通に由来するCO2排出量の将来予測や、必要となる脱炭素化政策についての提言等をとりまとめた「ITF交通アウトルック」を2年に1回作成しています。2021年5月に最新版「ITF交通アウトルック2021」
が出版されました 。
- ITF加盟国及びその他関係者の新型コロナウイルス対策に資するため、新型コロナウイルスの交通分野への影響や各国の政策対応等について取りまとめた「新型コロナウイルスと交通(COVID-19 and Transpot : A Compendium)」
を2021年3月に作成しました。