OECDの概要:造船部会 - WP6:Council Working Party No.6 on Shipbuilding
1.概要
世界で単一市場を形成する造船業に関し、不当な貿易歪曲措置・競争を避けるべく、理事会直属の作業部会として1966年に設置されました。これまで、自国造船業に対する助成策の段階的削減、造船業の構造調整のための需給状況の検討、建造能力の削減推進などを行ってきています。2006年7月からは、関心のある参加国が活動資金を拠出するII部予算により造船部会の活動を行っています。
(OECDウェブサイト:https://www.oecd.org/sti/ind/shipbuilding-working-party.htm)
2.組織・構成
(1)構成
各国の政策責任者等が参加しています。日本からは国土交通省海事局の課長級が参加しています。
(2)議長、副議長
議長: ノルウェー
副議長: 日本、フィンランド、韓国
(3)非加盟国等の参加
クロアチア、ルーマニア等が参加しています。
(4)下部組織
輸出信用アレンジメント船舶セクター了解非公式専門家会合
3.最近の活動内容
●海運のグローバル化の進展により、世界の造船市場は単一化が進んでいます。このような市場では、一国の政策が市場に大きな影響を与える可能性が高いため、公正な競争条件の確保は国際造船市場における最重要課題となっています。造船部会においては、市場における需給の動向や各国の造船政策(特に公的な支援措置)についての情報交換・意見交換、造船市場の健全化のための政策協調等を行っています。
●2017年4月からは、造船分野における市場歪曲的な公的助成の防止に関する法的拘束力を持つ新たな国際規律の策定に向けた議論を行ってきましたが、2019年12月の会合において、韓国の強い反対により議論は当面凍結されることとなりました。これを受けて、現在は、日本の提案に基づき、供給過剰と低船価問題に対応するための国際協調を促進するべく、「新造船の需要予測・船価モニタリング」プロジェクトを実施しています。
(最近の主な取組)
■加盟国等の公的支援措置の通報制度の強化
■新造船の需要予測・船価動向モニタリングの実施
■非参加国の公的支援措置に関する調査
■国有造船企業への公的支援に関する調査 等