OECDの概要:環境政策委員会 - Environment Policy Committee (EPOC)

令和3年8月27日

1.概要

OECD環境政策委員会(EPOC)は、環境を保全・回復する政策立案を支援し、経済、社会、セクター政策と統合的に環境政策を推進することを目的として1971年の設置以降、経済発展と共に直面する様々な環境面の課題に取り組んでいます。
その課題は、気候変動、廃棄物管理と循環経済、生物多様性の損失、大気汚染、そして水問題と多岐に渡ります。

同委員会のこれまでの主な成果としては、汚染者負担原則(PPP:1972年)、環境汚染物質排出・移動登録制度(PRTR:1996年)、拡大生産者責任(EPR:2001年)などの重要な環境原則・制度を作り上げてきたことが挙げられます。
また、環境政策委員会では、環境保全効果だけでなく、環境政策の導入による経済効果や産業の国際競争力への影響、所得の分配効果など、経済的・社会的な課題も踏まえた高度で専門的な調査分析を実施し、環境政策の推進を支援しています。また、それぞれの効果や影響について、適切かつ現実に測定可能な指標を検討し、データベースとして集約することで、各国における証拠に基づく政策立案(EBPM)に大きく貢献しています。得られた分析結果や指標、デ-タは、また、G20といった各種の国際枠組や環境関連条約などの場で、幅広く活用され、大きな影響を与えています。

 

2.組織・構成

(1)構成

OECD加盟国により構成され、出席者の多くは加盟国の環境担当実務責任者(部局長・課長級)です。約4年に1回、閣僚級会合(OECD環境大臣会合)が開催されます。日本からは環境省から課長級が出席しています。

 

(2)議長、副議長

議長:英国

副議長:スウェーデン、日本、フランス、ルクセンブルク

 

(3)オブザーバー

欧州評議会(COE)、国連欧州経済委員会(UNECE)、国連環境計画(UNEP)、国連持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム(UNHLPF)、世界銀行、世界保健機関(WHO)、世界貿易機関(WTO)の他、中国、インドネシア、南アフリカといったOECDキーパートナー国やEuropean Environmental Bureau(環境NGO団体)なども参加しています。

 

(4)下部組織

  • 気候・投資・開発作業部会(WPCID)
    気候変動とグリーンインフラへの投資、開発協力に関する調査・分析・政策提言を実施しています。

  • 環境政策・経済政策統合作業部会(WPIEEP)
    経済・社会政策と統合・調和した環境政策の立案・実施・評価を支援する調査・分析・政策提言を実施しています。

  • 環境保全成果作業部会(WPEP)
    加盟国の着実な環境政策の実施に向けて、環境政策の成果に関する国別レビューを実施しています。

  • 生物多様性・水・生態系作業部会(WPBWE)
    生物多様性、水、生態系、その他自然資源の管理等の政策に関する調査・分析・政策提言を実施しています。

  • 環境情報作業部会(WPEI)
    環境と持続可能な開発に関する統計整備、指標開発を行い、加盟国における環境保全の状況を公表しています。

  • 資源生産性・廃棄物作業部会(WPRPW)
    資源生産性の向上や廃棄物の管理により生じる環境負荷低減等の政策に関する調査・分析・政策提言を実施しています。

 

このほか、他委員会(化学品委員会、農業委員会、租税委員会、貿易委員会)との合同会合や、気候変動専門家グループ、気候変動適応タスクフォースなども設置されています。

 

3.最近の活動内容

最近のEPOCにおける主な活動に関する情報は以下のとおりです。なお、グリーン成長については、OECDでは分野横断的テーマの1つとして、担当委員会を置かずに分野に応じて各委員会で取り扱われていますが、ここではグリーン成長に関する総論的活動も、併せて紹介します。

   

その他環境関係の出版物については、OECD東京センターHP別ウィンドウで開くOECD環境局HP別ウィンドウで開くをご参照ください。