トップページニュース>「開発協力大綱」の閣議決定

2月10日にODA(政府開発援助)の理念や基本原則等を定めた「開発協力大綱」が閣議決定されました

2015年2月12日

 本大綱は、昨年3月に岸田文雄外務大臣より政府開発援助(ODA)大綱の見直しを発表後、岸田大臣の下に有識者懇談会を設置し、同懇談会の議論を踏まえつつ、NGOや経済界等との意見交換、パブリックコメント等の機会を通じ、広く国民からの意見をいただいた上で、今般策定されたものです。

 今回の大綱は、前回改訂の2003年依頼、12年ぶりの改訂であり、昨今の開発協力を取り巻く環境変化を踏まえ、名称もODA大綱から開発協力大綱に変更されています(名称変更は、①多様な開発課題への対応、②オールジャパンの協力促進、③援助ではなく、途上国との対等なパートナーシップに基づく協力関係の強化といった理念を「開発協力」という表現に端的に込めたもの)。

 本大綱の主な特色と協力の方向性は、以下のとおりです。

(1) 日本の開発協力の理念を改めて明確化
・本大綱では、開発協力の目的を「国際社会の平和と安定及び繁栄への貢献」としつつ、かかる協力を通じた我が国の国益確保を明確に定めています(国際社会と我が国双方に資するwin-winの関係構築)。
・基本方針として、①非軍事的協力による平和と繁栄への貢献(平和国家として非軍事的協力により世界に貢献)、②人間の安全保障の推進(人間一人ひとりに焦点を当て、その保護と能力強化)、③自助努力支援と日本の経験・知見を踏まえた対話・協働による自立的発展に向けた協力(開発途上国の対等なパートナーとしての協働)の3点を掲げています。

(2) 新しい時代の開発協力
・重点項目として、①「質の高い成長」とそれを通じた貧困撲滅、②普遍的価値の共有、平和・安定・安全な社会の実現、③地球規模課題への取組を通じた持続可能で強靱な国際社会の構築、の3つを掲げています。

(3) 触媒としての開発協力
・民間資金等を呼び込み「質の高い成長」に結びつけるための「触媒」としての開発協力の役割を明確に打ち出しています。これは、開発途上国への民間資金フローが公的資金を大きく凌ぎ、民間部門の活動が開発途上国の経済成長を促す大きな原動力となっている現状を踏まえ、官民連携等の強化を明記したものです。

(4) 多様な主体の開発への参画
・女性をはじめとする多様な主体の開発への参画をより明確に定めています。包摂的で公正な開発を実現していくためには、開発協力に多様な主体の参画を促していくことが重要であるとの観点からです。

外務省HP「開発協力大綱の決定」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_001766.html