OECD東南アジア地域プログラム(SEARP)関連会合の開催
平成28年7月5日



6月13-16日、ベトナム、ハノイにてOECD東南アジア地域プログラム(SEARP)関連会合(東南アジア地域フォーラム「東南アジアにおける生産性及び包摂性の向上(Boosting Productivity and Inclusiveness in Southeast Asia)」、SEARP運営グループ会合、東南アジア・中国・インド経済アウトルック2016のアップデートの発表、OECD・ERIA(東アジア・アセアン経済研究センター)共催シンポジウム「ASEANにおけるグローバル・バリュー・チェーン(GVC)を成功させる」、OECDベトナム政府共催セミナー「次なる生産革命」)が開催され、濵地外務政務官、兒玉OECD代表部大使(SEARP共同議長)が出席したところ、結果概要は以下のとおりです。
1. OECD東南アジア地域フォーラム(6月14日開催)
(1)濵地外務政務官が、ソン・ベトナム外務次官及びフランツOECD事務次長に続いて、オープニングスピーチ(オープニングスピーチ概要)を行い、その後、モクタンASEAN事務次長がASEAN経済共同体(AEC)ブループリントの達成へ向けた課題について基調演説を行いました。
(2)東南アジアにおける生産性向上のための要件について議論が行われた第1セッションにおいて、参加者は、投資環境、金融市場の整備や技術の拡散とともに、教育・スキル、生産性向上を促す競争政策や租税政策が必要である旨議論しました。
(3)第2セッションにおいては、東南アジア諸国の雇用の80-90パーセントに寄与する中小企業が、輸出の10-30%しか寄与していない点を上げ、これら中小企業がグローバル・バリュー・チェーンに参加することにより、生産技術やマネージメント・ノウハウのスピールオーバー等の効果が見込まれなどの便益がある点が指摘されました。また、中小企業のGVCへの参加を阻む要因である、中小企業の情報や資金への限定されたアクセス、複雑な規制や貿易手続きを改善する必要性が説かれました。
(4)第3セッションにおいては、社会的包摂性が経済成長に貢献するという観点から、スキル、保健、年金、教育、ジェンダーの格差解消が生産性向上に与えうる影響を議論しました。
2. OECD東南アジア地域プログラム(SEARP)運営グループ(6月15日開催)
(1)OECD加盟国、東南アジア各国政府の局長クラス、及び国際機関の代表が、SEARPがよりAECブループリントに貢献するためには、何が必要かという観点から議論しました。
(2)参加者は、(1)SEARPを東南アジア及びOECDの双方においてメインストリーム化する必要性、(2)SEARPの活動をよりAECブループリントの政策目標に合致させる必要性を中心として、分野横断的活動における各分野のシナジーの向上や、社会的側面にも留意する必要性を共有しました。
3. 東南アジア・中国・インド経済アウトルック2016のアップデートの発表(6月14日開催)
(1)フランツOECD事務次長、兒玉OECD代表部大使、スーASEAN韓国政府代表部大使立ち会いの元、2016年度版東南アジア・中国・インド経済アウトルックの中間アップデートが発表されました。
(2)プレスリリースはこちら(日本語、英語)
4. OECD・ERIA共催シンポジウム「ASEANにおけるグローバル・バリュー・チェーン(GVC)を成功させる」(6月13日開催)
(1)OECD加盟国、東南アジア各国の政府当局者、ERIA、アジア開発銀行、国連アジア太平洋経済社会委員会代表が、東南アジア各国のGVC及び地域バリュー・チェーン(RVC)への参画の現状および政策課題、特に新しいASEAN加盟国や中小企業のGVC・RVC参画のメリットを議論しました。
(2)会合概要・資料等はこちら(英語)
5. OECDベトナム政府共催セミナー「次なる生産革命」(6月16日開催)
主としてベトナム政府の政策立案者に対して、OECD事務局の専門家から、イノベーション、教育・スキル、製品市場規制、労働規制、競争政策等を中心に、現在OECDで行われている「次なる生産革命」にかかる議論や作業の内容が紹介されました。