着任のご挨拶

令和7年10月21日
(写真)安藤大使

OECD日本政府代表部特命全権大使として着任した安藤俊英です。OECDにおける新たな任務を前に、緊張感と期待を胸に、パリの地に着任いたしました。出張などでこれまで何度も訪れてきたフランスですが、勤務するのは今回が初めてとなります。パリでの任務そして皆様との出会いを心から楽しみにしております。着任に際しまして、次の3点を大事にしていきたいと考えています。

 

1点目は、日本政府がこれまで以上にOECDと連携し、OECDに積極的に関与するというマインドです。OECDは国際社会で大きな影響力を持つルールメイキングの場です。OECDにおける議論と日本国内とを有機的に繋ぎ、OECDの先進的な取組や事例を取り入れ、日本経済の発展に寄与していきたいと考えています。同時に、日本の考え方をOECDの議論の場で展開し、日本の優れた政策や取組を世界のスタンダードに押し上げていきたいと考えています。

 

2点目は、多国間主義が岐路に立つ中で、常に国際社会をリードしてきた国際機関であるOECDを支えていくことです。OECDは、同じ志で結ばれた加盟国で構成され、各国の意見を尊重しつつコンセンサス形式で意思決定するところに大きな特色があります。時代の変化の中で、OECDの比較優位を見極め、国際社会から一層求められる国際機関に発展していけるよう、日本としての役割を果たしていきたいと考えています。

 

3点目は、OECDにインド太平洋地域の視点をこれまで以上に取り入れることです。インド太平洋地域を代表する加盟国として、タイやインドネシアの加盟も見据え、世界の成長センターであるインド太平洋の考え方や価値観をOECDにおける議論に反映していきたいと思います。

 

OECDにアジアから初めて日本が加盟したのは1964年です。それから60年以上が経ちましたが、OECDとともに自由な貿易と投資に支えられた世界経済の成長を牽引するという日本のコミットメントは不変です。OECD事務局、そこで懸命に働く邦人職員の皆様、そして志を同じくする加盟国との実りある議論を通じ、国際社会の課題に結束して対応しつつ、着実に成果を積み重ね、より良い未来を切り開いていけるよう力を尽くしたいと思います。

 

2025年10月
OECD日本政府代表部特命全権大使
安藤 俊英(あんどう としひで)

 

(略歴)
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